好きになった私が負け

でも幸せだから、やっぱり勝ち。

次にこんなに好みの作品に出会えるのはいつだろう/ミュージカル『町田くんの世界』の話。

 

ほんとうに好みのミュージカル作品に出会えました。こんなにもドンピシャに好みな演劇作品に出会えるのって、次はいつになるんだろう…と観終わった時に脳直で感じたくらい。

ミュージカル『町田くんの世界』(東宝

ほんっっっとに5億点!(©︎川﨑皇輝さん)の舞台でした。

 

年間30演目そこそこ舞台作品に触れていて、毎年「これは今年のベストワンだな」って思える作品はあるけれど、こんなにビビッと「これは私の生涯ベストに入るかも…!これは、今年の、なんてものじゃない!」って思えたのは、人生5年ぶり2度目。

(5年前のは2019年のSHOWBOYでしたね…これもウォーリー作品なんですけれども…)

 

忘れたくないことが沢山ありすぎて、頭の中でのプロットがまだ描けていないけれど、もうこのまま書き始めます。(笑)

 

ここで余談という名の前提挟むと、私は大学時代舞台学科にいて、4年間という中途半端な時間だけ、どミッチリ舞台やら表現やらで単位をとって卒業しました。ちゃんと仕事しているプロや界隈の人からしたら、「何を分かった風にこの小娘が!小癪だ黙れ!」となるかもしれないので、演劇界隈の人がもしこれを見てしまい、気分を害されたら、それは本当に申し訳ない…偉ぶりたいわけでも悪気があるわけでもないことはわかって欲しい…ということをまず…

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【中身の話に行く前に、もう外側から良すぎる】

この通り。作品の中身うんぬんの前に、良すぎるところがあまりにありすぎた。

 

①まずもう、"ガワ"からいい。

まずそもそも、私はウォーリー作品がめちゃくちゃ好き。

これはもうウォーリー担名乗っていいくらいに。

町田くんの世界』はウォーリー×東宝×ミュージカル×シアタークリエ(×川﨑皇輝)

もうこの時点で勝ち確だったのに、そんなうわっつらじゃなく、本作は"ガワ"から良かった。

 

これはね、先ず褒めたいのは、パンフレット。

開演前にパンフレットを眺めて予習していたそのパンフレット。

これがもうすごかった。最後のページのスタッフクレジット。これに過去の担当作品とかがちゃんと書かれていて、これが本当に良かった。

目の前の建て込みと照らし合わせて、「うわああー!ほんとだ!!」って思えたし、作品みていて、「うんうんうんうん!!!」って大喜びできた。

あんまりスタッフクレジットに過去作品まで記載しているの無いから珍しかったし、あれを見るだけで、「既に正解」すぎたんだよな。

数学のめちゃくちゃ綺麗な算式見せられたキブンだった(?)(当方ゴリゴリの文系)

こんなに綺麗に要素を集めました!ではどうぞ、これから綺麗な答えをみせつけます!って書かれてたよ、あれには…

 

特筆していくならば、

・美術 池宮城さん

過去作品にあるN2N。わぁ…!これ…!N2Nのあのセットを彷彿とさせる…!ほんとだ…!と震えた。(N2N、本当に美しい芸術作品だったからね…)これはもうね、ゾッとした。やばい、と思った。

 

・照明 原口さん

客席入って照明を感じた時、「わあー!ウォーリーだー!」と思ったけれど、パンフに『粛々と運針』『ボーイング・ボーイング』の文字。わかる。粛々と運針、わかる。(ちなみに粛々〜は私の2022年の観劇作品ベスト1。。。これも雷が走った圧倒的ベストワンだったね。。。)

 

・マイム 黒木さん

これはね、黒木さんだ!ってなったってよりかは、「マイム指導がいる」がもう、勝ちの確定演出だった。演劇のリアリティって結局マイムだからね…。これ見た瞬間に、もうこの作品って…と思った。し、案の定始まって全員があまりにマイムが丁寧で本当に見ていて気持ちが良すぎた。(自分が大学で新人公演やったときの最初の稽古はほぼずっとマイムだったから…プレゼントゲーム…しまくったよね…www)

 

・舞監 佐藤さん

年中無休、って書いてあって、これもまた「あー!なんかわかる!!!」ってなった。

 

・忘れちゃいけない、音楽 和田さん

私多分ね、和田さんの音楽と相性がいい。

「音楽和田!?!勝ちじゃん!!!優勝優勝!!」

って、これは音楽が和田さんって知った時からもう名前で大喜びした。高校の担任でアタリ引いたときくらいの大喜びした。和田さんの音楽、いつだってどこで聞いたってアタる。

 

クリエイトチームのスタッフクレジットで既にこんなに良い。もうたまらないよ、これで演出ウォーリー木下!?!これどうなっちゃうの!?!と開演前からソワソワゾクゾクドキドキしていた私だった。まあ想像をはるかに超えて魅せつけられてしまうんですけれどもね…

 

②舞台セットが良すぎる

ガワが良すぎる話から、ちょっとずつ踏み込んだ話を。舞台美術が良すぎる。

 

まず二階建ての高見舞台。しかも回転する。これは先行で出た稽古場の映像でもわかってた。でもそうじゃない、それだけじゃない。

この2階部分、端と端が傾斜のスロープで繋がっている。これが私の心にぶっささった。なんともよく出来すぎている。やられたー。うまいって。

 

これもまた自分ゴトの話なんだけれど、大学時代、スロープ×回転のセットを使う演目をつくったことがあって、あの時のことがたくさんフラッシュバックした。わあ!進研ゼミでやったやつ!のやつ。(笑)

 

傾斜ってさあ、めちゃくちゃいいんだよね。

ちょっと高さが違うだけで、役のステータスが変わるというか、意味を深く付けられる。

例えば、「低いところにいる人が高いところにいる人に怒る」のと「高いところにいる人が低いところにいる人に怒る」のは与える印象が全然違う。

「これ、繋いでるの、傾斜だ」って気づいたあとからそれを意識して、あの傾斜でのシーンをみると、なんともお見事アッパレな位置取りが多すぎて、感動した。(その辺は後述)

 

そして、あの木材剥き出しの建て込みのセット。

何となく「金かかってんなー、これ」と思わざるを得なかったんだよなあ。

「創る」にお金と時間をかけたなあという印象。

 

他で言うと例えば、露骨に小道具の量が多いとか、細々したところまで物が置いてあるとか、高級品が立ち並んでいるとか。ドデカイものだとか、高級品の借り物だとかの目に見える「金かかってんなー」とは違う。

「これ、手で作りこんでて金かかってんなー」のやつ。

あの回転の美術セット、全部建て込みだから勿論木材を切り出しているのは分かる(まあそんなのはどの舞台もそうだろうけどさ)。

でも私がやべえなと思ったのは、なんだろう、色味…?塗られている色味の塩梅が本当に絶妙で綺麗で可愛くて、「これって既製品じゃ売ってないもんな。ゼロから作ったんだな」をめちゃくちゃに感じた。

あとさあーーこれは自分の話になるけれど、自分舞台部に居て、小道具作ってたし、建て込むのもやったし、装置の所に丁稚もしてたからなんとなく分かるんだけどさあ、ありものの平台とかで組み上げていくんじゃなくて、素材を設計図通りに綺麗に切り出して、綺麗にやすって、綺麗に塗って、ピッタリにはめ込んで建て込んで、ってさ〜〜〜〜〜〜〜やばすぎるよこれ〜〜〜〜〜〜もうセットからなんだろう、手料理みたいな温かさが、色味とかからだけじゃなくて溢れていたよ〜〜〜〜〜木材むき出しの二階建てーーーーーー!!記憶が蘇る、傾斜舞台創るのまじで大変だったーーー高見ある舞台建て込むのもいつもほんと大変だったーーーーーーーほんとにーーーーーーねーーーーー(ジタバタ)

とならざるを得ない、そういう意味での金かかってんなーを感じた立て込み。。

 

本当に、細かい計算が色々されている舞台なのに、「計算」という冷たい感じが見えないあたたかくて素敵な舞台セットだった。

 

③音楽が良すぎる

自分的初日、パンフみてゾワゾワしたりしていた中で、さらに驚いたこと。生バンド。

でもこれは多分、私の予習不足。

「うそ!?!生バンド!?!えっ!!!」勢いのあまり投稿しかけたポストは圏外の座席からは世に放たれず。しかもヴァイオリンがいる。めちゃくちゃ最高、良い。

いつだってなんだって、生バンドは最高なのに、ヴァイオリンがいる生バンドの中劇場のミュージカル、良すぎるだろ…品がいい…。そして本当に良かった。生バンド本当にありがとう。まじでめちゃくちゃよかった。

 

④衣裳がいい

いやあ、これをここで話してしまうと少し中身の話にもなってしまう気がするが、語り時を失う前に、ここで。

 

そもそもの衣裳が可愛い上に、やりくりの仕方、使い方もめちゃくちゃ最高に"演劇的"だった。

 

「グレーのベースに赤の差し色」。

まあ、「赤の差し色」がきっと小道具まで全体においてポイントなんだけれども。

一人一人キャラに合わせたアレンジが効いていて、ほんっとうに凝られていてよく出来た可愛らしい衣裳だった。

惚れっぽくてすぐ走り出しちゃうような西野くんのハーパン、女子力全開!(女子力ってなんだよ!w)なさくらはリボンにチュール、氷室くんはちょっと硬派というか王子様っぽくもみえるようなチャラすぎない感じだけど背中部分にちょっと遊びがある…と、とにかくよく出来ていた。

し、みんな何役も何役もやる中で、この衣裳を別のものに着替えることなく役を変えて表現する。

これがなんとも演劇的で、めちゃくちゃ美しかった…。

演劇の世界って、言っちゃえば想像の世界でもあるし、「暗黙の了解」的な決まりごとがあるわけで(例:くるっと回ったら、はいここは別世界ですよ!的なやつ)、それを存分に活かしていた。

 

西野くんの同中のお友達になるには、氷室のブレザーを着崩す。悪意の場面のサラリーマンの彼女には、大きなマフラーを羽織らせる、、、

別にはけて衣裳を変えたってできたことを、敢えてやらずに、みんなそれぞれ着ているものをベースにして表現している所が、めちゃくちゃ演劇的で痺れたな〜〜。演劇においての暗黙の了解があるからこそ成立する演出。うまい。あまりに演劇。

 

そして気になったのは町田くんの制服。

近くで見た時に、ホログラムのようなフィルムが貼られているのに気づいた。これがすごく綺麗だったんだよね。で、よくよくみると、別にピッチリ綺麗に貼られているとかじゃない。これなんだろう、なんて表現したらいいんだろー、と見ていたところで、自分の中でしっくりきたのが、「雨が降った時に濡れるあたり」というか、「なんかすぐ汚れちゃうとこ」というか。

ズボンの裾、ブレザーの袖、ブレザーの裾?(っていう?)、ポッケのふたの裾、背中のライン。。。そう思って見てみると、なんか雨の時に撥ねて濡れた時みたいなフィルムの貼られ方している気がしちゃうんだよね。

町田くん、傘さすのへたっぴだし、なにするにも不器用だし、きっと町田くんだったら制服のそのあたりちょっと汚れて年季みたいになっていそう(笑)でもそんな部分がきらきらに造られていて、すごく素敵だった。

 

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とまあ、まず大前提的に、中身うんぬんの話の前に、外側からもうあまりに「良すぎる」を羽織りまくっていた。(武装 って言いたいくらいだけれど、全部あたたかいから、羽織るって感じ)

本当に私にぶっささるところがあり過ぎた。

 

なのにそれだけで終わらない。

なぜかって、中身が、中身が、中身が。

…中身があまりにもよすぎる!!!!!!

 

ということでついにここから中身の話を進めます。

こういうのはきっとページを変えて、「後編」とかきするのがセオリーなんでしょうが、これはただの自己満のアウトプットなのでそのまま続けます。

 

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【物語の作られ方があまりによすぎる】

 

①申し訳ないがそもそも原作が私の好み

実は舞台が決まって、STORY・introductionを読んだ時点で、「あれ、これ、私が好きなやつかも」と思っていた。

人が好き、愛情、日常、青春………

なんか私が好きなワードと雰囲気が並んでいる。

これは予習、対策、しておかないといけない!?初日にひっくり返って死んじゃうかも!?と思い、電子でマンガを購入。

(今さぁ、本屋って全然マンガ置いてないのね。びっくりしちゃったよー単行本ほしいよー)

正直漫画を読んでいた時から「いい話だ(ジタバタ)」となっていた。

「これ川﨑皇輝がやるの!?私どうなっちゃうの!?!(ジタバタジタバタ)」

の夜を何度も送った。まず原作が私に合ってた。大前提、ぜんぶこれがベースにはあるかもしれない。

 

②ウォーリーさんお得意?オムニバス形式

私が観たことあるウォーリー作品、大体オムニバス。っぽい形式が多いイメージ。

(年中無休、SHOW BOY、ダブルトラブル、粛々と運針、ジャングル大帝…)

こんなに日常系の漫画原作、どう舞台になるんだ?と思っていたら、春夏秋冬季節が変わりゆく中で、「あの話」「この話」を「とあるこの日では」のように構成されていて、出演者みんなの「お当番回」的なものがある。「なるほど!」となった。これもあまりに演劇的。

日常系のこの原作漫画と、私の中に漠然とある「ウォーリーってオムニバスうまいんだよなー」の歯車がガッチリ噛み合った瞬間だった。

 

③神がいた。脚本がうますぎる。

もう正直、ここまでの全ての素晴らしい要素に、最後の最後に、この

「脚本がうますぎる」

が乗っかってしまった。

実際につくっていった順番で言ったら、脚本が先かも知れないけれど(笑)、私の目線で言うと、まずはパンフと舞台の中と衣裳や小道具…と外側しか見えていなかったところに、最後についてきたストーリーが、ほんとうに凄かった。

「あ、原作のこのシーンにあんなセリフもあったよなー」と思ったことが後からでてきたり。

原作の順番通りじゃない入り方をして来たエピソードもすごく綺麗に入っていたり。

わお!うまい!きれい!わ!そのセリフ好きだったから嬉しい!となる場面が多々あった。

 

これは原作時点から言えることだけれど、日常系ってバトルものとかとも違って、日常の中でどれだけ緩急・強弱をつけるかで、創るのは簡単ではないはず。

というのは現に私が、高校生の日常会話ですすむお話をラジオドラマ風の台本にして書いて出した時に、速攻で没になったことがあるから(笑)

「これ起承転結全然わかんないし話に波がないよ」って先輩に言われて、うるせぇ!ありきたりな会話が1番おもしれぇだろうが!と部室で叫びそうになったりしたこともあった。(まあ高2の思い出)

 

となると、そんな日常系をミュージカルで、オムニバス風に、とすると、より各所各所で波をつくらないといけない。これはきっと、ウルトラ簡単な脚本じゃないはずなのに、原作の要素があまりに綺麗に入れこまれていて、見ていてすごく気持ちが良かった。

 

さくらが出てきた時は、「さ、さ、さくらー!!!キタ━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━!!!!!」と思ったし、そこから1巻の最後に描かれている「雨」の話に繋がったり。

「なんか…湿っぽいね」というさくらのセリフがあって、さくらの失恋の事を連想させたのかと思っていたら、「雨」のシーンにも繋がるセリフになっていて、流石にここは「やられた…そう繋いでくるか…」となるなど。本当に脚本、素晴らしかった。

 

脚本がすごく上手(というか巧妙)だったところに、色んな最高の要素がのっかっていったから、こんなに最高の舞台ができたんだろうなあと。

 

④全体の演出の構成がよすぎる。

OPナンバー前に出てくるキャスト。

軽くアップして座ってからはじまる。

「えっ、もしかして、でずっぱり!?!」。そう、でずっぱだった。これがすごく「日常系」の要素になっていた気がした。話にフォーカスが当たる人がいるけれど、そうじゃない人たちも常にいる。「ひとりぼっち」「ふたりぼっち」にならない。逆に、舞台上には誰かがいるからこそ「独り」が浮き彫りになったり。これは本当に、役者のみなさん、すごすぎた…。しかも「マイム」の指導済みですからね。後ろで何かやってる場合もマイムが全部うめぇうめぇ。

 

これは本当に予想外で、度肝を抜かれた。やられたーと思ったし、さらに出ずっぱりになることで起こるマイムやら効果音の対策も徹底されていた。すごかった。

 

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【開幕。中身の話。】

ここをどう私の感想をまとめていったらいいのか分からない。。。「何幕何場」が共通認識であったらいいんだけれど、そうもできないので、ざっくりの場面ごとで。そしてこれは全部私の勝手な解釈と感想なので、悪しからず。。

 

・OP

♪Colors of Our Hearts

音圧が最高。ソロパートで繋がっていく歌割り、全員歌がべらぼうに上手い。もう勝ち確。回っているのも明かりも温かみがあって綺麗。あと楽器の音が最高。

気づいたら町田くんと猪原さんが高見にいて世界を見渡しているの、最初見た時既に未来が明るくて「わぁ!!」って嬉しくなった。もう冒頭から大当たり。

 

そしてこのあと、町田くんが目覚まし時計を止めて窓を開けるシーン。原作通りのシーン。
この動作のマイムがほんっっっとうに良くって、私最初見た時この瞬間にもう優勝したって思った。本当によすぎて震えた。(マイムガチ勢)
もうあの開け方で天気までわかる。素晴らしかった。

 

♪おはようありがとう
町田くんがみーんなから「おはよう!」って言われてはじまる曲。

町田くんはずっとセリフで、「目玉焼きです」ってリフレインまでするのに、おかゆのところで「あんなに混乱するメモリ、ぼく知りません」ってメロディになるのがすごく可愛かったな。ポンコツがチャーミングにうつっていた。


私が大好きだったのは、
「何だか町田くんらしい」「僕らしいって何ですか?」「上手くは説明できないけど、そういうところ!」で町田くんだけ高見にいて、みーんなが下から町田くんを見上げて「そういうところっ!笑」って指すところ。
町田くんはこの町のみんな、キャストのみんなを嬉しそうに見下ろしていて、みんなも、町田くんを嬉しそうに見上げている構図。もう愛情がいっぱいに送られあっていた。

現に町田くんも、「町田くんもまた、人を愛しています」(☜このセリフの猪原さん良すぎるよね)に、「それだけは自信があるんです!」ってほんっっっとうにいい顔して答えるんだよね。あのちょっと誇らし嬉しそうな表情すごくよかったなあ。

 

「おはよう」も「ありがとう」も、1日に何個あってもいい幸せフレーズだもんね。みんなが「おはよう」「ありがとう」の言葉をたくさん町田くんにかけていて、冒頭からすごくあたたかかったな。

 

・版画〜保健室のシーン

指切って流血するシーンの赤い紙吹雪、これ、めっっっっっちゃ、「ぎゃあ!ウォーリーすぎる😭」ってなっちゃった。液体じゃなくて、紙吹雪。素朴な演劇的な美しさもあるし、液体だと一瞬しか見えないしね…。演劇的すぎた…。

 

そして手当する猪原さんのマイムガチうまい。(笑)

 

・食卓のシーン

紙吹雪の血だなんて、演劇的だなあと思った矢先の出来事。

兄弟役もみんなが演じるって聞いていたけれど、やられた。まさかの、クッション。

これぶっちゃけ、こんな立派な大人たちが子供やるなんて、キツいよなーって事前に思っていたから、「やられた…」と思った。

「演劇上の暗黙の了解」で綺麗に表現されてしまった。演劇的すぎる。

 

町田くんがニコとミツオとハグしている時、クッションを手放した役者のふたりがニコとミツオの顔で後ろで演技してるの、めっちゃよかったなー!

そして食卓での雰囲気がいいし、ハンバーグ〜(`・ω・)bが可愛すぎる。あまりに幸せな家庭。

 

♪世界は私を拒絶する Ⅰ

猪原さんのこのシーン、原作だと結構後ろの話なのに、ここに入るんだ!と思ったシーン。でもこれ、ここに入れるのがあまりに正解だったなあと。猪原さんのキャラクターついても説明できるシーンだし、愛情たっぷりハンバーグの後に来るところが、2人の家庭環境の差がより見えたなあと。

 

・猪原さんの女子校時代のシーン

ここのシーンに入る時、舞台の転換、反時計回り。

悔しい、これ最初の頃全然気づけなかった。

時計のSE、映写機で映したみたいなフィルターのようなプロジェクターの映像、どっちも「ウォーリーすぎる〜」とまたまた思っていたら気づけてなかった。

この後も過去の回想のシーンは反時計回りに転換していて、気づくの遅くなって悔しかったけれど、悔しかった以上に、「出来すぎているーーーーーーーーーうめぇーーーー」と最早脳汁ドバドバになった(笑)

いじめっ子の3人が背中しか見えないの、めっちゃ怖かったなーー(笑)怖さ増した(笑)

 

・ナンパのシーン

待ってました!!!公式サイトのストーリーにも引用されているシーン!!

このシーンよかったーー、原作の再現度が高かったというか。セリフもほぼそのまんまだし、間のとり方も原作の吹き出しと近しいし。

個人的に好きだったのは、「食費浮かすためだから」って言われた町田くんのところ。原作でめっちゃビックリショックな顔してる町田くんと、川﨑皇輝くんの「…‼️‼️はわわわわわ💦💦」ってなってる町田くんが、めっちゃそっくり(笑)

そしてそれに間髪入れずに突っ込む猪原さん(笑)で、ハンカチここで渡すのも良かったなー。

 

♪Colors of Our Hearts Ⅱ

「俺は、猪原さんに居て欲しいよ」からのここのColors of Our Hearts。ここあまりに美しくて本当に大好きだったシーンだったな…

180°反対に2人がいてセットが回転していて、ああ今はまだ対極な2人なんだなあ…と

でもあったかい色の照明が2人がいる高見の部分によくあたっていて、(下は真っ暗だったよね?2人がいる所だけ光あたってた) 猪原さんはハンカチを見つめてぎゅっとしていて、猪原さんの転機だ…!と言うのは見ていても明白。

そこで、「♪今日あなたがくれた一言が 灰色の世界を晴らすかもしれないんだ」の追い討ち。美しすぎる…………

 

・西野くん回

最高!大好き!西野くんの回!

西野くんって最高のいいやつだよー。

恋がよく分かってなくて、「うーーーん」「ごめん…!」「ここにくるよ♪」ってほんとなんも分かってないやつムーブ鬼かましの町田くん。西野くんのオーバーなリアクションとの塩梅が絶妙で、いいコメディのシーンだったーー

(2人が屋上?で話している時、下にいるみんながガヤガヤしてるのも良かったよね)

 

♪恋が世界を塗り替えるⅠ

この曲めちゃくちゃだいすきー(涙)

和田さんの作るハッピーソングめちゃくちゃ大好き〜(涙)

楽しそうなウキウキの西野くんを見て、「西野くんキラキラしていて素敵だなあ」って顔して小さく真似する町田くん。みんなで「宇宙を泳いでいるようで」でふわふわしているの見て、「うわーーーーたしかにーーーー!!!恋してる時って宇宙を泳いでいるみたいかも!」って私もウキウキしちゃった。

 

そしてこのあとの西野くんと町田くんのシーン。

完全にコメディパートで、きらきらウキウキの世界を見せてもらって、私もにこにこキブンなのに。

このシーンに最後のシーンの伏線が仕込まれていて、本当に憎い。

因みに私は最初観た時には伏線に全然気づかなかった(笑)。2回目観に来た時に、またこのシーンをうきうきにこにこ気分で見ていたら、西野くんが「町田くんもいずれ、恋に落ちるって。その時は全速力で走ることになるんだから」って言い出す。

…………エッ。

最後のシーンが美しすぎてずっと脳裏にあったまま観に来た2回目。

うそ、まって、そういう事だった…………。完全にやられた。

私のにこにこタイムが、グサッ!ドキッ!の時間になってしまった。

 

そしてこの後の、バスに乗っていった西野くんの表情がめちゃくちゃ良かった………。

西野くん、苦しいね、でも、すごく楽しくていい日だったね。西野くん、絶対幸せになれるよ。

そんな気持ちで西野くんの乗っていったバスをいつも見送っていたよ…………。

これは、演劇だからこそ届けられる、西野くんのバスに乗り込んだあとの表情だもんね。

 

そして苦しいのは西野くんだけじゃない。

町田くんの気持ちを知りたいのに、ごめん!なんでもない…って帰っていく猪原さん。

寂しい思いをさせてしまったのか…?と一気に表情が曇る町田くん。

 

この、ウキウキからの胸がぎゅっとつまるような緩急というか、キュッと落としていくところが最高だったな。

 

・セブンティー

 

♪セブンティー

この曲大好きで、ずっと口ずさんでいた(笑)

メロが綺麗で、演奏もシンプル。歌詞がすとんと届くめちゃくちゃいい曲だったーーー。(和田の音楽ガチ最高だなーーーってなってた。心の中で敬称略でごめんね和田さん。)

 

このお話も、めちゃくちゃ好きだったなー。

私自身もあんまり人に誕生日言わないタイプだから、「教えて欲しかった 寂しい」っていう猪原さんに、「そういうもんなのかー」と思っていたんだけれど………

この♪セブンティーン のお誕生日会のシーン、町田くんが本当に嬉しそうで幸せそうな表情をするんだよね。リュックを愛おしそうに見つめて抱っこして、ケーキも嬉しそうに見つめて、ふーってして家族に囲まれて。

そりゃあさ、西野くんからの「人生で1番嬉しかった日」の質問に、「誕生日」縛りでしか答え出せないわ(笑)ってくらい。

 

この町田くんの顔がすぐそばで見られなかったし、お祝いできなかった猪原さんを思ったら………私も心臓がきゅっとしたし、寂しい…。これは寂しい…。ショックとかじゃなくて、寂しいね…って思った。

 

そして、「寂しい」を聞いて、さっきまでの幸せそうな顔はどこにいったの!?!ってくらい、サッと笑顔が消える町田くん。

町田くんがこの前のシーンでとっても楽しそうで喜んでいるからこそ、また、(そう、また。)寂しい思いをさせてしまったのか…?の表情がグサッと来た。

 

でも大丈夫。町田家のいいところが炸裂する。町田くんは、人の感情のことで分からなくなったらすぐお母さんに相談する。(えらい)

そしてなにより、お母さんはそれを全部、否定しないで答えてくれる。

原作読んでいた時からずっと、「めっちゃいいママだなー」って思っていたけれど、湖月さんの演じるお母さん、ほんとうに温かみもあって元気もあって最高だったな。

 

で、そんな母親から「共有」というワードを貰ってひらめく町田くん。

お誕生日2日後、「町田くん!」って猪原さんによばれた時、お花の入った紙袋を抱えている町田くんは、もう晴れやかな表情をしている。可愛い。

猪原さんから「ケーキを焼いてきたの。食べてくれる?」で紙袋を差し出された時に、もっと嬉しそうにして、ニコって微笑んでくれる。

そしてさらに、「俺からも」ってお花を差し出す。この時の、「閃いたんだあ」って満足そうな顔、すごく愛しくて、猪原さんが「町田くんらしいか(笑)」って言って、納得しちゃうのもわかるなあ。ってすごく微笑ましい気持ちになった。

 

この「セブンティーン」のお話で特に感じたけれど、このミュージカル『町田くんの世界』は、感情の表現の緩急が素晴らしくって、こちらが感情移入できた部分がすごく多かった。

「幸せ」すぎるから「寂しい」がよく見える。

役者もみんな、めちゃくちゃその緩急の付け方が上手かった……というのは私が運良くほぼ~11列で見れていたからかもしれないけれど。

 

過去の私の演劇体験と比較をすると、

ウォーリー作品のミュージカル『SHOW BOY』を観た時には、「対比」が上手だった。

ペアのキャラ同士が境遇や心情が真逆だからこそ、それぞれが良く見えるなと思った。

今回は「感情の緩急」がめちゃくちゃ美しくって、だからこそ、みんなの気持ちがより良く見えるなぁと思った。これって、SHOW BOYでのキャラの対比、とも違って、役者が逆算して演技しないといけないから、ほんとにめちゃくちゃすごいなあと。

 

・さくらの回

最高、さくら大好き。まじ可愛い。さくらありがとう。(この作品のキャスト、みんな本気で可愛い。全員好みだった。(癖))

 

この話も最高だった。前述の通りだけど、脚本が秀逸の回。

 

まず屋上での栄さんと猪原さんの会話。ここめっちゃ大好きだったなーー。

人が嫌いだとかいってた猪原さんなのに、さくらに大嫉妬してすんごい表情するし、栄さんの話に大一喜一憂する(笑)めっちゃかわいい。

猪原さんがどんどん変わっていっているのが、クラスメート・栄さんとのやりとりで描かれているのが楽しくて最高。

(あと、屋上のシーンの時って、ちょっとナナメに舞台が止まってるよね?このシーンがナナメだったか記憶が定かでないけど、回転するからこその見せ方でアッパレ。。)

 

一方そのころ、舞台上手。

さ、さ、さ、さくらキタ━(゚∀゚)━!!!

原作でも読んでいたお話だったし、出てきたさくらバチボコ可愛いし、座席立ち上がってガッツポーズしかけた。抑えた。

 

ゴリゴリに押せ押せなさくらVS なびく気配がない町田くん

(VSダークライ)(世代が出るボケ)

 

さくら役の磯部さん、勿論最初っからずっと出ているし、しおりもやってるし、ここで初登場じゃないのに、さくらが余りに色濃いし強烈だしで、「初めて出てきた!?!」くらいのインパクト?衝撃波がある。…というか逆に、ほかの場面ではほかの役にちゃんと馴染んでいたということでもある…(笑)

 

あ!個人的に好きなシーンの話を!(笑)

この後に氷室くんが出てきて、さくらが猪原さんに宣戦布告するのを見た栄さんが、すぐ掛け降りようとするも、ぼーっとみてる氷室くんの肩叩いて、「ほら!いくよ!!」ってする所が大好きで、このやり取りしてるの気づいてから、毎回欠かさず見てました(笑)。栄さんの姉御肌なところ大好きだなー。

 

♪肉じゃがクッキング

最高。だいすきソング。磯部さんの歌唱力を活かしている力強くて明るい女の子の歌!

 

「料理って、1人で作るより、2人で作る方が楽しぃんだよ!」☜好きな人と2人で作るのが、たのしいんだもんね、さくら!!(笑)

「へー、肉じゃが教えてくれるのたすかるよ…!」☜下心と恋心に気づかない町田くん

 

さくらは本当に、マンガに出てくるみたいな、顔文字みたいな表情をたっくさんして、本当にすごかった。原作のイメージ通りのさくらだった(笑)

 

そして前述した「湿っぽいね、雨降るのかな」のシーン。

さくらが特大告白してるのに、驚きもせず慌てもせず顔色変えない町田くん。さくらの気持ち全部気づいてる町田くん。図星つかれて泣いちゃうさくら。

このシーン、例の傾斜の架け橋で行われているけれど、「町田くんのこと利用した」って謝ったり、泣いたりするさくらが低い方にいて、全部悟ってて慰めている町田くんが高い方にいて、見ていて本当に気持ちがいい位置取りだった…。

そしてこれは多分意図してないだろうけれど(笑)、町田くんが、1歩さくらに寄って"最後のあたまぽんぽん"をする時、2人が傾斜にいる分、町田-さくらの身長差がより生まれてて、さくらが町田くんにちょうどぽすっと収まりそうなサイズ感になるのもすごく可愛くて大好きだった。なんか少女漫画っぽい胸キュンシーンになっていた。

多分氷室くんくらいのイケメンなら、泣き顔は俺が隠してあげる〜ぜ〜っと って言い出しそうな、めちゃくちゃ可愛いサイズ感と距離感だったんだよーーーー

 

・雨のシーン

来ましたついに。「ここできたか…!」となった雨のシーン。原作だと、1巻の1番最後のお話。原作、このお話で終わるのが余りに暖かくて気持ちがいいんだよね…。こんなに穏やかないい気持ちの読後感ってなかなかないってほど(私が普段イヤミスばっか読んでるせいだけどね)。そんな1巻ラストの雨のシーンが、さくらのシーンの後にある。上手な脚本。

 

このシーン、ミュージカルなっても本当に大好きだった。

 

みんなが雨の音を「とっ」「とっ」「とっ」と表現して、綺麗な映像が投影さてれ、奏でられるピアノ。綺麗。丸ごとが綺麗。豪雨とか嵐とか、嫌な雨じゃない。雨なのに、嫌な気持ちがしない、そんな雨。

 

ピンポン2回押してでないのに、諦め知らずで\いのはらさああああん/って叫ぶ町田くんが可愛いし(どうしても会いたいから手段を変えてでも会おうとするのかわいくない!?)、「肉じゃが。さくらと作った」って倒置法で言われて、ちょっと嫌そうな顔したのに、「さくらに猪原さんのこと話した」って言われたら、また表情がかわる猪原さんもすごく恋する乙女で可愛らしかった。

 

ここまででずっと美しくて結構感動していたけれど、猪原さんの宝物になる1番大切な大事なセリフのところ。

原作のマンガはこのセリフは、吹き出しが細かく区切られている。

町田くんがひとつひとつの言葉をちゃんと丁寧に言うその様子が、私が漫画を読んだ時にイメージしていたその通りそのものだった。し、それをこうやって、舞台で、人が人に向かって実際に言っているのでみると、その何倍にも心に刺さった。

そりゃあ、猪原さん、こんな言い方でこんなこと言われたら、「宝物」になっちゃうよね…って本当に胸が温かくなった。私も体感することができたよ。すごくよかったなあ。

 

・カズミちゃんの回

これ原作でもグサッときで泣けた話。これ、やるんだ…!まあやらないと、話が繋がらないか…とも思いつつ。にしても短いながらも綺麗につくられていたな。

幼少期はじめ(CV.川﨑皇輝)とシルエットが素晴らしい。

私のイメージの川﨑皇輝さん、それ(涙)最初見た時泣けちゃった

 

傘でつくったスクリーンに映像をうつしていて、ぱぁっと弾け飛んででてくるカズミちゃん。

このシーン、後ろから観たときにすごく綺麗で、「お母さんになりたーーい!」のカズミちゃんのセリフと相まって、綺麗だからこそ悔しくて、カズミちゃんのそのたった一言で泣けてしまった。。。

 

・健一さん&ひかりの回

これねーーーよかったねーーーーー

氷室くんがすっごくいい味だしてたーーーー。

 

「人を見た目で判断しちゃいけないよっ!」は、なんだかんだ原作でも町田くんがずっと言っている言葉だけれど、ここできたか!と。

たこ焼き美味しく食べているのに、「町田くんの夢は?」って言われて、夢がよく分からなくて、顔が曇っちゃう町田くん。ここ、町田くん、そんなに…?と思ったけれど、この曇った顔があるからこの後に効くんだよね。

 

♪たこ焼きメモリー

ほくほくはふはふあつあつ!韻踏みうますぎ。頭に残りすぎる。名曲。ずっと、ほくほくはふはふ、あつあつ って頭の中で歌ってたーーー。

そしてキンブレにどでかたこ焼きがぶっ刺さってるトンチキ小道具。おもろかわいい。

意外と、みんながぎゅっとなって一緒に歌ってる曲ってなかったから、すごく可愛かったよねーー

 

転換で学校のシーンに。綺麗な転換。

このシーンに猪原さんも女子ずと一緒に机にいるところすごく嬉しかったなー。

そしてずっと怒っているひかり。芝居うまい。あと顔かわいい。伝わらなくって苦しそうに怒っているのがすごくよかった。

 

♪バレンタインDA氷室くん

この半年前のシーンになる時、反時計回りの転換!よい!!!そして、半年前なので町田くんのリュックが壊れる前のやつになっているのも、結構好きなポイントだった(笑)ちゃんとしてくれてありがとうの演出。

この転換で回転しながらキャストが舞台に乗り込んで登っていくの、めっっちゃ綺麗で(計算されすぎているすごい)、すげーーーーー!って感動しちゃった。

そしてこのあと、氷室くんに怒る町田くん。傾斜の所で町田くんが高い方にいるのが、これがまたいい位置取り。(すぐ回っちゃうから逆になるんだけど、それもそれですごくいい)導線的にとかでたまたまかもしれないけれど、綺麗だったー

 

♪たこ焼きメモリー

ひかりが健一さんのたこ焼き屋に行くシーン。

たこ焼き渡せないというコメディ要素もいれているし、「町田くんあいつなにしたのよ!」ってクスッとできるセリフもあるのに、ひかりと健一さんが会ってから、ずっと空気がピリッと張り詰めている。それは舞台上も客席も。みんな、どきどき、ひやひや、2人を見守っていた。

たこ焼き食べたひかり、「…60点…っ!」って言うくせに、泣いてんだよ。私がたまたま前列に入った日にひかりがほんとに涙を落として、小道具のたこ焼きにあたってボタボタっていったのが見えて聞こえて、そしたら健一さんも涙流しながらたこ焼きメモリーをひかりに歌いかけていた回があって。素敵だな、よかったねってすっごく思えた。

 

♪君の力に

この夕焼けが綺麗なシーン、明かりがめちゃくちゃ美しかっためー綺麗で綺麗ですごく好きだった。きっと、さくらとのシーンの夕焼けと同じかほぼ同じかの色のはずなのに、全然違ってみえた。

「町田くんは夢、あるの?」って言われてやっぱり悶々としちゃう町田くん…そしてここで入るヴァイオリンの音がまた綺麗でねぇーーー。町田くんの悶々とした気持ちは暗い悩みじゃないんだよーって思えるそんな綺麗さ。やっぱヴァイオリンがいるのが本当に良いなあこの舞台。

 

・栄子先生の回

で、でたー!私が原作読んでいても、「栄子先生…町田くんにそんな事言わないでよ…」ってなったお話。ここくらいまでくると、半分切ったーーー;;ってなる(笑)

因みにこのカフェのシーンもみんなマイムがべらぼうにうまい。助かります。

栄子先生のオチャラケな様子、とってもおもろかったなーーー。演劇だからこそできる大袈裟なオーバーリアクション。そこに冷静沈着?優しさ抜群?の町田くんが居るから、おもろかったな。

ほんで愉快な甥っ子として遊ばれる川﨑皇輝さん腕長くって毎度おもろかった。

 

そして浴衣のエピソード〜!ここだけ衣装が変わって浴衣なるんだよね、猪原さん。かわいかったな。

原作で読んでいて、町田くんが猪原さんの浴姿を見て「かわいい」って言うシーン見たいなって思ってたから、ここで猪原さんもわざわざ浴衣にしてくれて、綺麗に表現してくれていて嬉しかった。「かわいい」って言われた猪原さんが見れたのがすごくよかった。その猪原さんもめちゃくちゃ可愛かったーーー

 

プロポーズの回想シーン。

勿論ここの転換も反時計回り。(爽快な転換)

まっっしろな照明のストロボ、綺麗だったー

 

♪ひとりじゃない

ここで乱入してくるひかり一家!良かった!嬉しいなあ!

この曲、最初町田くんのソロで始まるし曲調も明るくないからそのままかな?と思ったら、そのあと皆で「ひ と りじゃ ないんだ〜」って歌い出して、曲調も明るくなって、ゆっくり舞台が回ったなと思ったら、さくらと先輩がベンチにいたり、西野くんがショッピングモールのハンバーガーしていたり、みんなが頑張っている様子が映し出されていて、そして町田くんは自分の夢に願い、猪原さんが愛おしいことに気づく・・・。

さっき、「夢は?」って聞かれて、あんなに急に大曇天な顔してたのに、愛おしそうに愛おしそうに、「猪原さんが 愛おしいんだ」って歌っている町田くん。。。町田くんも1歩ずつ成長しているよーーーそしてクライマックス目前展開すぎるーーー

「くらいきょくかも。。」と思ってからの明るい展開に私の心もぶわーーっと晴れたよーーー、和田の音楽……………憎い………

 

・電車待ちのシーン

このシーン、キュンポイントたっくさんでめちゃくちゃめちゃくちゃすきだった、、、。

猪原さん、「人が嫌い」とかいっていたのに、「今日の私はなにが違うでしょう♪♪」なんてすっかり人が変わっていて、まずにっこり。そんな声色、冒頭で全然聞いた事なかったって!!!これも演劇だからこそ、「さっきまで」として比較できるし、いい部分。

 

猪原さんはネイルを「かわいい」って褒めてもらいたかったのに、「器用だね」って言われて、えーって拍子抜けするけど、町田くんは「それに、猪原さんの手、綺麗」って言ってくれる。

ネイル褒めてほしかったのにさ、もっと本質(本質??)の、手が綺麗って言われちゃったら、びっくり嬉しくなっちゃうよね。

そして町田くん。猪原さんの機嫌がいいのは気づいててわかるのに、自分が猪原さんの機嫌をよくしていることには気づいていない。まじでなんで(笑)でもいいんだよね。猪原さんはそんな町田くんがね。

この2人のあったか〜いやりとり、見ていてすごく幸せだった。そして後ろのみんなのリアクションもすごくいい味だしていたー。ただの電車待機列の人じゃなくって、まず待ってる人という佇まいがうめぇし、さらに二人の会話の後ろで、2人の会話にリアクションする。漫画でいうとトーン貼ったみたいに、2人の会話の様子が色付けされた気分。あったかくって可愛いらしい。そりゃあ、猪原さんも、「いつも貰ってばっかりだから…!」ってお返ししたい気持ちでいっぱいになっちゃうよね。

 

・吉高の回

吉高さんのシーンの始まり方が、町田くんの始まり方と全く一緒なのに、町田くんとは真逆そうな人生歩んでそうで、見ていて私もげんなりしちゃった。(演劇的ないい意味でね)

それこそ町田くんが窓を開けるマイムは快晴!にみえたけれど、音も表情も歌も相まって、天気悪そうだったもん。。。。

そして「ため息ってなんか悪そう」の伏線を回収するかのようなみんなのため息、舌打ち。

ため息ってなんか悪そうってさっき聞いちゃったもんだから、「ため息そんなにやめてーー」って思って悶々。。。

 

ここは冬のシーンというのを活かして、衣装での他のキャラの表現が秀逸。マフラー、ストール。みんなの演技力とこのアイテムで、みんなが全然別物に見える演劇マジック。

 

あとこの話、限界社会人に刺さるよね…気をつけよう。私も仕事仕事のタイプだから…うっ…

 

余談で、このシーンで、町田くんが猪原さんを泣かせちゃった後に「うーん、、、」ってなってるの、めっちゃ原作の絵のまんますぎて、感動した(笑)

 

そして猪原さんを泣かせちゃったあとに町田くんが色のない世界で悶々とするシーン。これは多分私の考えすぎな深読みなんだけれど、せっかくそう見えたしそう感じたのでちょっとひとつ。

 

そもそもは、終演後にお友達と話していて、「盆の転換、時間が逆戻りする所以外でも反時計回りがあって、法則がみつかってない」っていわれたのがキッカケ。

私は完全に、過去に行く反時計回り以外は、転換の都合(笑)だと思って、演出的意味を考えもしていなかった(笑)。そんなことを聞いてぼんやり頭の中にありながらみた、町田くんが薄暗い世界で悶々としながら下校するシーン。

 

じつはこのシーンも転換が反時計回り。

 

町田くんが街を歩いている ♪おはようありがとう と、「街を歩いている町田くん」という点においては同じなはず。で、冒頭の場合は、町田くんが流れる街並みに綺麗にのっかって景色が移ろいで前に進んでいるように見えていた。

そしてこの反時計回りの悶々下校シーン。

そう思って見ると、町田くんの意思で進んでいる訳ではなくて、町田くんがまるで時間に街に、押し流されているように見えた。

 

お友達とこの話になっていなかったらきっとこういう風には思えてなかったかもしれないし、丁度その話をした後に私が見たのが15列あたりで綺麗に見渡せる位置だったのもあって、「あ、いやー、これは私の考えすぎだろうけれど、意味があるのかもって意識がある中で見るこの転換、意味があるのかも」って気づくことができた。

 

やっぱり人とのアウトプットってめっちゃだいじだ・・・はっとしたよ・・・感謝・・・

 

・お母さんとのネイルのシーン

お母さんのセリフでぱっと明るさを戻す世界。あれで私もはっとして戻ってこれた。

お母さんの「好きなのよ…!はじめのことが」でぎゅっとなって涙がでかけた。ネイルを後回しにしておうちを飛び出す町田くん。

ドキドキしている町田くんに合わせての心拍数みたいなドラムの音。これがめっっちゃよい。私もこのドラムの音につられて、町田くんみたいにドキドキしてしまった日があった。でもそんな、楽器やSEに合わせて私も感情移入しちゃうなんて初めてで、「すごい…!生バンド、こんなことがあるんだ………!」って大感動。でも感動しているのに、私も町田くんみたいにドキドキしている。すごい演劇体験をしちゃった。。。

皆に鼓舞されながら、怯えながらも進む町田くん。最初の2回くらい、私もうここで涙腺崩壊。町田くん頑張れって思って、町田くんと猪原さんの想いを考えたらすごく泣けてきた。

でもまだ大泣きチャンスがこの後に何度もある。

「どんな俺を好きなんだ?」「なんの取り柄もないどんな俺を好きなんだ?」「いいとこなんてひとつも無いのに…!」

ひどいよ町田くん。私ここでウルトラ大号泣。なんでよ分かってよ!!!なんで分かってないの!!!町田くんは!!!いいとこ!!!ばっかりだよ!!!!!!!!!!!!!!鈍感すぎるよ!!!!!!!ばか!!!!!!!!

べっしょべしょに泣いた。

私も町田くんのこと大好きになってた証拠だね。

 

でも私の涙は止まらない。このセリフで私はまだまだ泣ける。

町田くんの世界』に入り込んでみていたはずなのに、川﨑皇輝さんがこんなセリフを言っているのが、また、泣けた。二重で泣けた。

ファンからスタッフから「プロ」って呼ばれるのに、絶対、「いやいや」と謙遜ムーブする川﨑皇輝さんと、私の中で重なってしまった。「いいとこなんて一つもないのに。プロなんかじゃないのに」っていう川﨑皇輝さんに見えちゃった。だめ。号泣。

「あんたは!!!いいとこいっぱいあるんだよ!!!!!プロ!!なの!!!!!スーパープロアイドルなの!!!!!わかってよ!!!!ばか!!!!」

二重で大号泣。私特大新規オタクだからこの感情が合ってるか全然わかんないけどめっちゃ泣いた。

「愛は与えるだけでよかった」のフレーズにもまたなんか川﨑さんが重なって泣けちゃったりして、もうこのシーンずっと泣いてた。

 

おばあちゃんと再会して、「猪原さんの手、綺麗だ」の伏線回収して、恋を見つけて全速力で走り出す町田くん。開く中割幕。薄暗さのない明るい世界。走って止まらない町田くん。

美しくて美しくて美しくて、ここでまた涙腺、追い崩壊。目の前に広がる景色の全部が美しかったし眩しかった。涙が止まらなかった。

 

東京千穐楽の日、私はネイルのシーンからずっと心臓がきゅーーって苦しくなっていた。最初は、私も町田くんに感情移入しちゃって、町田くんみたいに世界が狭くて息が詰まるようなきゅっとした気持ちだと思っていた。でも、セリフが進むにつれて、「あ、終わっちゃう。私の町田くんの世界が終わっちゃう」と思ったら、どんどんそっちの方に苦しくなっていって、視界がちょっとずつ滲んでしまった。

町田くんが全速力で走り出した時、目の前に広がる景色のあまりの美しさと、終わって欲しくなさとで涙が止まらなくなった。正直、東京千穐楽、もう今まで泣きまくったかは泣けないと思っていたのに(笑)。

全速力で走るシーン、階段で躓いたり、いろんな全速力をみせてもらったけれど、この日は、階段登りきった高見の傾斜のところで両膝ついて倒れ込んじゃって、それでまた大泣き。美しすぎた。計算じゃない。町田くんがそこにいた。

 

そして猪原さんのところにたどり着く町田くん。高見の上にいる猪原さんと見上げる町田くんのこの構図、めっちゃロミジュリ〜〜って思っていた。私の概念のロミジュリだけど(笑)恋している人たちの構図って感じ。私の中の概念の話だけど(笑)

 

ここ、猪原さんが町田くんにこの前はごめんって謝って、町田くんが「ううん、気にしていないよ」って優しくいうところで、個人的にいつも心で突っかかっていた。「急に泣いちゃって迷惑かけちゃった猪原さん」のことは気にしていないかもしれないけれど、あんた、お家飛び出して走ってここまで来ちゃうくらいに、猪原さんのこと、気にしてんじゃん・・・・。おせっかいお姉さん、ここでもグッときてた。

 

町田くんが「きみのことが・・・!」と言って決してその先の町田くんを見せない聞かせない演出。これが美しくってすごく好きだった。嬉し泣きする猪原さん。

私が最初見ていた時、下手から見ていて、猪原さんがよく見えていたんだけれど、毎回猪原さんの表情を見て大泣きしていた。

下手に友達と一緒に入った時の観劇後、「あの時の町田くんの顔って上手入らないと見えないね」って言われた。でも言われて気づいたけれど、私あの気持ちを伝える町田くんの顔を見たいと思っていなかったんだよね。見えない美学というか、見せない美学というか。見えないからこそ美しいと思ってしまっていた。し、何より、猪原さんの表情が全部の答えすぎて、ここは猪原さんを見ているのが本当に一番感情にきた。

 

でも言われて確かに!と思ったから、上手入った時にちゃんと町田くんの顔もみた!wけど、猪原さんが泣いているのを見て、二人で見つめあっている時の表情がめちゃくちゃ良かったなー。

 

♪Colors of Our Hearts

 

そしてここで入ってくるテーマソング。良すぎてまた涙腺崩壊。

OPのこの曲の時は、キャストはみんな客席の方向いて歌っていたのに、ここでは町田くんに向かって歌いかけている。そして、町田くんもそのみんなの表情をうけて、みんなを見つめ返している。これ、全員があまりにいい表情をしていて、幸せな物語で幸せな空間すぎた。

夢や願いの話が出たひかりが「幾億もの願いや想いが」と言っているのもいいし、そう思って見ていると、歌割りに配置もさっきまでの物語とリンクしている気がして、意味がある気がして、ここまでの全部全部がつながった感じがした。

で、大泣きしていると気づいたら二人が高見のてっぺんにいて「今日あなたがくれた微笑みが 鮮やかに世界を塗り替えて」と歌って大回転。

大円団。大大円団。大大大大〜〜〜大円団!!!!!!!!

本当に美しいOPの伏線回収(伏線回収というのか?)だった。

 

クリスマスパーティー

この大円団からカテコに行っても良かったのに、物語がまだ続く・・・!二人のこの先の出来事まで見せてくれるんだ;;;;;!と、最初の頃は焦って頑張って止まらない涙を引っ込めた(笑)

お互いがお互いの気持ちをちゃんと分かり合った中でのクリスマスパーティーなんて良すぎるよね。私が感動したのは、最後町田くんが猪原さんの手をとるところ。

今までの笑顔とはぜんっっっっっっぜん違う町田くんの笑顔。

「愛おしい」を通過して知った「恋心」を持ってして猪原さんを見るその顔。この2時間ちょっとのどの顔でもない顔していた。たまたまこのシーンで顔が見える上手の方に入っていた時にこの顔に気づいちゃって、ヤッッッッッッッバイもん見てしまった、と痺れた。涙一気に引いた。

そして高見からはクッションから羽根を降らせる演出。振り落としで追いの羽根。ウォーリーの演出すぎる〜と思いつつ、そのあったかい演出が美しくってまた大号泣。

 

幸せで胸がいっぱいすぎた。あたたかい気持ちになった。こんなに幸せな気持ちの涙を流しまくれるのも気持ちが良かった。この感情を演劇から得ているのもすごく幸せだった。ほんとうに良かった。

 

カテコ、和田さんも出てきてめっちゃ嬉しかった。「和田ーー!!!!!!!!おめぇの音楽はいつも最高だよ!!!!!!!顔が見れて嬉しいよ!!!!!!弾いててくれてうれしいよ!!!!!!ほんとありがとう和田ーー!!」って野球場のガヤ飛ばしてる人みたいに心の中で叫んでたよ。(笑)

 

このミュージカルの何がそんなに良かったかって聞かれると、こんなに書き起こしたのに難しくって、ストーリーが私にハマって、とてつもなくあたたかく美しく描かれていたからかもしれいない。

人の話や人のことを否定しない町田くんやお母さんは、(私がずっと言ってる)「Yes,And」をする人で、人のいい所をいっぱい見つけて褒める人だから見ていて気持ちがよかったし、あと私ずっと、「80億人全員から愛されてぇ〜!」って思って生きているからw、町田くんは素敵だし羨ましいし勉強になったし(笑)原作の時点でハマっていた要素が、演劇にやミュージカルなることによって良さや温かみのブーストがかかったのが良かったのかなあ。

 

音楽も脚本も本当によかった。

このブログを書くにあたり原作と読み比べたりしたんだけれど、歌の歌詞がほとんど漫画の言葉といっしょ。心中を書かれている四角い枠の言葉にそのままメロディがついている感じ。原作に忠実にたくさんのことをやってくれたのも素敵だった。

そして、パンフレットにたくさんの曲の歌詞が載っていて、すごく嬉しかった。友達に見せた時に、「え!!こんなに載っけてくれてるの!」って言われたけれど、本当にそう。

 

本当に素敵な作品だった。私にどんぴしゃの。出会えてよかった。

スタッフ陣、出演者、楽器隊、全ての人にお礼を言って回りたい。素晴らしい作品を本当にありがとう。何かに出品したらなんか獲れると思います。

こういう作品ってあんまり再演とかしないのかな…。4/4にとってた記録映像、ください。とってたのしってます。(笑)

でもまたいつか、この作品にもう一度会えることを夢見て。一生忘れたくない景色を本当にありがとう。

 

東京千穐楽のカテコ、送り出しのインストに拍手からだんだん手拍子になって、それに気づいてみんなが歌ってくれたあの光景、本当に美しかったし、あまりにミュージカル『町田くんの世界』の人たちのやることだったよ。

 

素敵な作品を創ってくれた皆にも素敵なことがたくさんありますように。

 

 

 

 

 

 

 

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さいごに。川﨑皇輝さんへの心からの感謝と愛を

 

そもそも私がこの作品のチケットを複数枚持っていたのは、川﨑皇輝さんの主演舞台だったから。川﨑皇輝さんがこの、ミュージカル『町田くんの世界』をやっていなかったら、きっとこの作品にこの熱量とこの感情とこの解像度で出会えていなかった。

こんなに素敵な作品に出会わせてくれた川﨑皇輝さんに、感謝してもしきれない…本当に素敵な時間をありがとう。

 

そしてさらに(笑)人生半分以上じゃにヲタをしている私なのに、川﨑皇輝さんにハマったのは本当にこの1年の話。(それについてのこの1年間の実録は、来月あたりにあげるのだが)

入所した時から知ってるあの、あかちゃんだった川﨑皇輝さん。こんなに大きくなるまでずっとアイドルで居続けてくれて、本当にありがとう。大人になった君のことを見つけて、大好きになってしまったら、こんなにこんなに素敵な景色まで見せてもらってしまったよ…。

「宝物をもらってばっかり」。猪原さんのセリフがなんだか自分事にも感じられる気持ち。

"好きになってよかった""これからもずっとずっと好きでいたい、この人の見せてくれる景色をずっとみていたい"って思える春の日々を送れて、本当に幸せが止まらなかった。

こんなに私に刺さっている作品で、主演で、真ん中にいるその人が私の好きな人。

川﨑皇輝さんのオタクになってなくても、私はこの作品を観ていたことには違いないんだけど(ウォーリー担だからねw)、そんな世界線じゃなくって、「川﨑皇輝が好き!!」って気持ちでこの作品に出会えて本当によかった。

もう10年以上ずっと私と一緒にいるお互いウォーリー担wのマブの2人がどっちも本作見てくれたんだけれど、「好きな人がこれやってるの羨ましい」って言ってくれて、ほん!とに!ほん!とに!首がもげるほど頷いたんだよ。

唯一悔しいのは、川﨑皇輝さんへの理解度がまだまだ高くないから、「ここの町田くん、皇輝くんっぽいなー」が感じきれなかったところ。先輩の皇輝担のみんなの感想を見ながら、勉強させてもらいました(笑)

本当に川﨑皇輝さんのこと好きになってよかった。この作品に川﨑皇輝さんが好きな状態で出会えてよかった。はーーーーー、まにあって、よかった。

東京千穐楽、深い深いお辞儀から顔を上げた時のあの表情、いっっしょう忘れたくない。本当にいい顔だったよーーーーーーー!!!!

とんでもないハマり役、完走おめでとう!

君も町田くんといっしょ。いいところがいーーっぱいで、愛に溢れた世界に居る人だよ。

 

また皇輝くんの町田一に会えますように。

また新しい素敵な作品に、皇輝くんと一緒に出会えますように。

 

fin.

 

逆に、『SHOWBOY』を何度も観た人の話

日本発、最高のオリジナルミュージカル『SHOWBOY』(東宝 2021.07)


この『SHOWBOY』を体験してくれた人による「観劇ブログ」…いや、「"感激"ブログ」が流行っている、と個人的に感じている。今私の手元には、「いいね」をしておいてあるブログが沢山あるからだ。

(因みに、現時点では1つも読んでいない。私なりの楽しみ方で楽しみきって、全部が終わってからにしたいと思ったから。私だけの世界で一旦楽しみ切りたかった。)


勿論、ブログだけではない。ブログまでいかなくとも、初めて『SHOWBOY』を観た人たちの、ため息のような感想がTwitterを主に沢山ある。


友達にすすめられて、噂に聞いて、前回の評判を知っていて・・・


じゃあ逆に

『SHOWBOY』を前作と今作と、どちらも観た人の話

『SHOWBOY』に他人を連れていきまくった人の話


これがあってもいいはずだ…というか、その盛り上がりの中、その感動の輪の中、混ぜてよ!!!という勢いで、ここに至る。

(口コミのブログを求めている人も、もしかしたら覗いてくれたらちょっとはSHOWBOYの雰囲気が伝わる部分もあるかも……?)



因みに、先に結論を言うと、

『SHOWBOY』は最高だ。

ミュージカル、演劇、エンターテインメントが大好きな私が、たくさんの芸術体験をして、それを踏まえた上で戻ってくるのがこの『SHOWBOY』だとこの再演で確信した。

どうしてもこの最高のエンタメをでっかくしたい。いつかは生バンドで。いつかはもっと大きな劇場で。たくさんの人にもっと最高の形で観てもらいたい。

何人もを巻き添えにし、何回も観た最大の感想はこれになる。




結論は上記ではあるが、大作覚悟で、このブログは

①前回作(2019.07)との比較

②ひとを連れていきまくった人の話

として進めていきたい。



(こういうのって、本当ならページわけるんですか???)



ちなみに私は舞台学科を卒業しており、舞台実習が卒業制作となったため、残念ながら卒業論文 なる物は作ってはいない。

そして、過去、国語の成績も特別良かった訳では無い。

つまりは、このブログについて、日本語的な部分、語彙的な部分、表現的な部分、構成、あと先入観的な部分も。全てご愛嬌でよろしく、ということだ。



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①今作と前作  2作観たからこその今作の感想(初演との比較)


(ここでは初演との比較についての話をしたいため、「この作品のこういう所がいい」などは基本割愛。はじめてのSHOWBOY をした皆さんに任せます)



まず大前提として、ふぉ〜ゆ〜のスキルがあがりまくっている。

歌、細かい芝居、表現の仕方。

初めてのコンサート、沢山の各個人の舞台、エンタメショーなどの経験がほんっとうにここに生かされていた…!

さらにブラッシュアップのされた、さらにパワーのある作品にSHOWBOYが進化していた…!


そして、2019年初演作品と今回の違いの大きいところは、キャストだ。

だがキャストとして比べることはとても難しいので、各話ごと比較をしていきたい。


参考:2019 初演時 https://www.google.co.jp/amp/s/amp.natalie.mu/stage/news/324616


〈1話 キャバレー〉

今作の主演ダンサーは ジャニーズ 高田翔。

前回の秋山大河よりも年下の若手俳優枠ジャニーズ。(キャリアはしっかりある)


前作の秋山大河くん、ちょっと傲慢で喧嘩っパヤイような主演ダンサーだったのと比べて、

高田くんは「ヤンチャワガママおぼっちゃま」の様な印象を受けた。

ヤンチャだしワガママだしおぼっちゃまだけど、先輩(裏方)のことがだいすき。一緒にいて楽しいんだろうね。

だから先輩にタップやってみろよー!ってするし、先輩のタップをみていなくても「みていませんでしたァー!」って明るく元気だし、パンケーキキャッチも一緒に楽しんでいる。


「スポットライトをあびるのは、先輩です!」も、先輩のことが大好きだから、嫌味とかじゃなくて、本当にそう思ってたんだよね。

前作はどちらかというと、もっとなんか、投げやりなような、ちょっと悔しさ混じりな感じに捉えられた。


何より、甲板で「クールじゃないんですよ。どっか諦められていない感じが。」と先輩に自分の心のうちを吐露するところの哀愁…残念さから、先輩への愛を感じる。(私が勝手に)


同じ甲板でのシーン、


「先輩に憧れてこの世界に入ったんですよ」

「そうなの?」

「嘘です」

「嘘なの?!」

「嘘です」


このテンポのいいやりとり、私は2回目の「嘘です」は、「嘘ですって言ったのは嘘です」に聞こえた。

それはこのシーンになるまでの2人の関係性、高田くんの演じる主演の、なんとなあく滲み出る先輩への愛から、そう聞こえた。

前回はなんとなく、「うるせえ!簡単に信じるなよ、嘘だってば!」だと思っていたんだけれど。


高田くんのいい年下感、おぼっちゃま感、なんだろう育ちの良さ?笑 さりげない品の良さ?笑 がすごくいい味だしていたなあ。


福田くんは、コメディ的な緩急の付け方がすっごく上手くって、コメディ沢山やった経験、肩肘張らずにやる事を覚えたりしたのが出ていたなあ、と。

だからこそ、甲板で主演が舞台に向かったあと1人になって悔しいような、耐えてるような芝居をするところがさらに良く見えた。たっぷり丁寧に表現していたのも素敵だった。

からしたら、裏方の気持ちは言語化することできないけれど、観ていて悔しくて苦しくて心が押しつぶされそうになった。


そして、この2年でミュージカルを沢山やったからか、歌がめっちゃ迫力増しててすごくびっくりした!!!!すっごい良かった!

1話の冒頭、「お前なんかにはまだまだ負けないよ〜!」が、ガツン!ときた瞬間に、もう私は「今作のSHOWBOY、こういうみんなの大進化があるんだ…負けた…」と白旗を心の中で揚げた。


あとやっぱり、エンジェル探すところのダンスシーン、すごく楽しくていいよね❗



〈2話 ペーパームーン


恐らく、台本的にも演出的にも1番変わったのは2話のペーパームーン

前回ダブルキャストだった子役は今回は1人、年齢もぐっと大人の17歳。


がしかし、小柄でベビーフェイス。連れてった友達は皆13~15歳くらいだと思った!って言ってくれていたけれど、全くもってその通り。

この「めちゃくちゃ子供に見える!」のが、前作とは違った最強にいい味 を出すことになっていた。


前作の少女は、子どもっぽく見えるんだけれど、物事をはっきりいう、しっかりした少女だった。大人を試すような、ド正論をまっすぐ言うような、気の強い少女。


(余談だけれど、笠井日向ちゃんの少女は本当に強気で男勝りで、久家心ちゃんはこどもっぽさもあるけれどしっかりしてる、っていう少女だった。私自身、優柔不断で、ヅケヅケものをはっきり言う女友達が多いタイプだから、笠井日向ちゃんの少女はすごく好みだった。笑  心ちゃんの少女は、女の子らしくふんわりしているのにしっかりしていて、まあ、どちらも甲乙付け難い。。)


それと比べると今回の桐島十和子ちゃんの少女はとても素直で、ぐっとこどもらしい。きゃっきゃはしゃいで、ずっとにこにこしていて、でも急に焦ったり、困ったり。


前回のギャンブラーは、出会った少女がしっかり者すぎて振り回されていたほんとダメなギャンブラーに感じたけれど

今回のギャンブラーは、こどもな少女に振り回されているお兄さん的な側面もあるギャンブラーに感じた。


脚本も相違点代わりとあって、私がわかったところだけでいくと


・バーに行くまでの流れ

→前回は「いい賭けどころがないんだよ」とバーに逃げ込む

なので、これに関連する

カバン持ち逃げして走って行くところ(前作はそんなことしていない)(よーし俺はツイてる〜!右か左か…!)

少女に追いつかれての会話。(大人をからかうもんじゃない! 子どもをナメないほうがいい。いいわ、1杯飲んでからかんがえましょ♪)

これらのシーンに関するものは追加の台詞となっていた。


・マフィアとすれ違うところ

→前回はバーを飛び出した少女を追いかけて、甲板で「家族は大切にした方がいい!」と話すところですれ違う

(今作の方が、時間軸的にしっくりきた!)


この2点は割と大きめ変更箇所かと。

そして、この台詞と、少女の役作りが変わったことによって

  ちっちゃいこどもに説教されてるような、

  ギャンブラーのどうしようもないクズ具合

  「大人」と「こども」の対比

がすごくはっきり見えるようになっていた。


「大人」「こども」の対比は特に感じた。


「大人をからかうもんじゃない」「子どもをナメないほうがいい」

「子どもにも子どもなりにいろいろあんの」「大人にもいろいろあんだよ」

「大人に質問なんだけど、」

と、対句(を含む、大人  や  子ども  のワード)がたった1つ増えるだけで、ギャンブラーと少女は「クズとしっかりもの」というよりは「大人と子ども」という比較の部分がより濃くなった。


(例えばほかはどんな対比かというと、表方裏方、夢を諦めたくない者 夢を諦める者 的な。

そもそもだけどSHOWBOYは"対比"がすごく綺麗な作品だよね………光が強いから影が濃く見えるというか、隣に居るのが逆の人だからその人が綺麗に引き立つ。。)


長くなったけれど、ここからが2話の前作との相違点の本題で。


前述の通り、桐島十和子ちゃんの演じた少女は、とても素直で感性豊かで、いいこども。これがやっぱり1番の相違点。


「プロのギャンブラー」って言われて、目を輝かせて「プロ!?!」って言うし(それに対してギャンブラーはスルーして「ギャンブラー。」としか返さないの、せこいよね。ww)

「子どもをナメないほうがいい!」「ぜんっぜん可哀想じゃない!あんなやつ!」ってハッキリ嫌な気持ちも前に出すし、

「それなのにカジノきちゃだめでしょー!」って、やーいやーい!の言い方するし、

「要領が悪い!女々しくて〜」の所もまちがいさがしを楽しむ子どもさながら。


私がめちゃくちゃ好きだったのはバーのシーン。

「ねえ、ギャンブラーさあ!あなたほんとに…」って楽しそうにキャッキャ聞いていたのに、エンジェルちゃんに「あなたミスターマジックさんの娘さんよね?」って言われた時に、一瞬で気まずい顔するところ。あの緩急の付け方は本当にこどもの少女だった…


こどもな少女とおとなのギャンブラー。

今作ではこの部分が、前作よりさらに分かりやすく描かれていたのが、進化部分だと感じた。



桐島十和子ちゃんは初めての舞台のお仕事って言っていたけれど、そんなことは本当に感じなかった!すごくすごくすごくよかったー!


あと越岡くんはスキルとキャラ付けがよりよくなってて、それも2話のパワーアップの要因。

ギャンブラーの歌も、肺活量か声量かからかすごく力強くて自信満々すってんてんギャンブラー感がでていたし、

この2年で手に入れた(?)「こしってる」という声高残念キャラを役に活かしていたし、

セリフの細かい言い回しもすっごくよかった。

「かけさせてやってもいいだろ!」の投げやり感、「人生…!かえられ…る…かと…」と言葉に出してて急に詰まるところ、「わかったような口きいてぇ〜」の余裕の大人感、「おじさーーーん、彼女の、おじさァ〜ん」の残念キャラ感。笑 他にも沢山あるけれど、この「忙しっ子だった2年」という月日を感じた。


最強の少女役と、進化した越岡くんによって、より味と深みのある 〈2話 ペーパームーン〉に なっていた。


ペーパームーン、元々(メンタル的な意味で)女殺しのストーリーなのに、こんなに進化しちゃ、そりゃあみんな、ギャンブラーにめろめろになっちゃうよね。笑



〈3話 お熱いのがお好き


前作をみた時から私がだいっっすきな3話。

やっぱりいつ見ても何回みても元気がでるし勇気が貰える、ほんとに大好きな話だ。


前作よりも今作の方が、物語全体としての、「個性が出た」ような気がした。濃くなった というか?。

元々中国人マフィアの話だし、そこは個性はあるんだけど、さらに周りに鮮やかな色がついたというか。中国人マフィアを纏う周りのものたちにも個性がでて、よりエンタメ、コメディ要素が強くなったというか。


前作との大きな相違点は通訳と支配人の役者。

今作のキャストも最高に大当たりでSHOWBOYの世界にピッタリハマっていたと私は感じた。


3話前半、通訳とマフィアのシーンは特に、マフィアが「中国人」という強めのキャラ付けだから、これ以上の味は出ないものだという謎の先入観があった。

がしかし、「ハァイ!」という謎の決めゼリフとポーズで訳をする濃いめの通訳。

これが実はめちゃくちゃ合ったしめっちゃよかった。


濃いものに味をたすなら、濃いものを入れればいいんだったな…そりゃそうだ…って悔しい気持ちにすらなった。

マフィアと通訳、どっちも可愛くて、ほんと、3話冒頭、オモロ可愛いさが増し増しで、愛しさ増しちゃったな〜。


3話後半、支配人とマフィアが出会うシーン。

今作の支配人は中川翔子、ことしょこたん


私は神田沙也加の支配人が本当に大好きで、「何があったか知らんけど(知ってるけど)、再演するなら支配人はさーやしかありえないから!」ってずっとギャン騒ぎしていた。

がしかし再演の蓋をあければ、支配人は勿論チェンジ。。。酷だ。。。そんな事すら思っていた。

あの時の自分に、「そんなに残念に思わないで平気だよ。しょこたんの支配人は最高だったよ」って伝えたい。


そう、しょこたんの支配人は最高だったのだ。

めちゃくちゃ、役にハマっていた。ハマり役だった。


そもそもこの支配人は、「黒いひよこ」

メイクの仕事に出会って、やっと私にできることが見つかった!と思っていた矢先に、また黒いひよこに逆戻り。眉間に皺を寄せて、ぐっとにらみつけて、「支配人」って感じを演じ作っていた支配人。2つの事同時にできない不器用な支配人。


これがしょこたんに本当にハマっていた。


しょこたん本人は、事前のインタビューでは「踊りは苦手で苦労した」と言っていた。

確かにバチバチに踊れるふぉ〜ゆ〜の真ん中で踊っているしょこたんは、ディーバの格好させたマフィアを説得させる為に歌い出すしょこたんは、一生懸命踊っている感が否めない。でもこれが(これも)、黒いひよこの支配人 という役柄だからこそ、全然違和感なかった。


全くふぉ〜ゆ〜、ジャニーズを知らない、ミュージカル好きの友達連れていった時にも、「しょこたん、踊れてないかんじすごくよかったね」って、私から何も言ってないのに、そういわれた(笑)(しょこたん、傷ついてたら、ごめんなさい でもほんとに、ほめてるの!)


あと、2つの事同時にできない支配人、っていうのも、しょこたんにすごく似合っていた。笑

ディーバを追いかけて、「私何していたんだっけ…」ってアワアワする所、まじで良すぎてた。すっっごく伝わった(笑)おかしかったな〜。あの絶妙なアワアワの表現は、しょこたんだからこそだった。


前置きが長くなりすぎたが、実は最高のキャスティングだった中川翔子支配人とマフィアの掛け合わせ。

本当に滑稽で愉快で、明るくて楽しくて元気の出るいい話だった。


あと、当たり前にだけど歌が上手い。毎回ちゃんと心に響くノーバディーズパーフェクトだった……………


そして松崎くん。

別の作品を観た時も感じていたし、やっぱり今回も感じたけど、松崎くんは実は演技が繊細で、すごく丁寧で上手だと個人的に感じている。

あと顔がすごく動くから、色んな表情をころころできるのが、このディーバにいい味を出している。

2年前のディーバよりも、心做しか、イキイキしているように思えたし、さらに表情が豊かになっていて、見ているだけで、感情がしっかり伝わってきた。


うーん、2年前と比べても表情が豊かになっていたし、緩急もよかったんだけれど、。

吉田メタルさんが観劇に来てくださって、その後に電話をしたら「もっとやりようあると思うよ!」って言われた!って言ってたあの辺から、さらに表情、抑揚が豊かに、わかりやすく、オーバーになった気が、個人的にはしていて…………。

シアタークリエ公演期間中にもしっかり進化し続けているその姿がさらに良かったんだよなあ…。ほんと、褒められて伸びるタイプだね(笑)(私の思い込みだったらごめんなさい。)


よかったなあ。何度観たって3話に元気づけられるのは、マフィアの抑揚、緩急、そして通訳や警察との掛け合いの心地よさ、歌バカうま支配人とのスキルでの殴り合いデュエット、これが全部強いからなんだよなあ。


3話、いい意味で初演とかわらず。

強いキャストに恵まれていたな。

2話のような「パワーアップ」というより、"新しいエッセンス"でこの物語を「別味にカスタム」してくれた。という感覚だった。


あのなんだろう。松崎くんが言いそう風に例えると、「金太郎飴って、味一緒じゃん!でも、切り取る角度、ヘラ、そういうので、切り取られた見た目がちょっと変わるじゃん!重さとか量とかさ!でも、味は全部一緒、模様もほぼ一緒、金太郎飴じゃん?でも、ちょっとちがう。個性がある。それと同じだぜ。ハァー!」

こんな気持ち。(褒めてます。)(松崎くん、滑らせちゃってごめん)


《4話 スティング》


スティング、良すぎ。

ここだけ急に、「芝居」を観にきた感覚に陥ってしまう。それは何故か。答えは簡単で、辰巳くんが芝居が上手いから。笑 そして同じシーンにいるキャストがそれに触発されているから。

 前作よりもめちゃくちゃ「生きてる人」 がそこにいたスティングだった。


その話は後にするとして、前作との大きな相違点は「エンジェル」のキャスト変更。


前回の樋口日奈乃木坂46)ちゃんのエンジェルちょ〜よかったんだよね、似合ってて。

SHOWBOYの再演が発表されるちょっと前に、ちまちゃんがブログで「大好きな人達と撮影しました!」とか言っていたから、SHOWBOY再演だ…!ちまちゃんも続投だ…!と思っていたが、ここもチェンジ。

でもエンジェルちゃんってすごく女の子的なキャラだし、今作の高嶋菜七東京パフォーマンスドール)ちゃんもいいかも!?と思っていた。案の定、最高。


新キャストでのエンジェルの4話を観て思ったことは、これは本当にいい意味で、

エンジェルっていうのは、

ちゃんとしっかりスキルがあって、

ちゃんとしっかり可愛い子であれば

キャストチェンジは違和感がないということ。

「エンジェル」っていうキャラは台本の時点でキャラの土台がしっかりしていたんだな、っていう発見ができた。


ちゃんとしっかりスキルがある、というのは、

・踊れる

・つんと透き通る声で歌える

・エンジェルの土台をしっかり表現できる

・そして芝居が辰巳くんと同格にできる


ちゃんとしっかり可愛い子、というのは、

・顔ははっきりめでアイドル顔

・無邪気に楽しんだり、拗ねたりという女の子らしさがある 


ということ。

これさえしっかり抑えていれば、今後も色んなエンジェルちゃんがあり得るんじゃないかとすごくワクワクした気持ちになった。


樋口日奈ちゃんのエンジェルは、ちょっとおバカで、明るくてひょうきんで、自分の感情に素直で、そして夢を見てる。だからこそ諦めるシーンが切なく映る。そんなエンジェルちゃんだったと記憶している。

(「トランプでてきたぁ〜!?!全部ハートのエースじゃあん…!!!」は、ほんっとにおバカで、酔っ払ってるから分かんないとかじゃなくて、おバカな女の子だった笑)


一方、高嶋菜七ちゃんのエンジェル。

言いたいことズバッと言える、しっかりもので芯があるような、でもむすっとしたりもする、ワガママ女の子ちゃん。

ちょっとしたアドリブの一言、短い言葉を言う時のトゲが、「そういう毒づく女の子いる!wwめっちゃリアルな女の子!www」ってすごく感じた。

あと、酔っ払いの芝居がうますぎ、まじで酒癖悪い(笑)


トランプの所も、おバカでビックリしているのもあるんだけれど、酔ってるブーストがかかってるから余計よくわかってない っていう感じがあった。おかしかったな。笑


個人的に、特によかったのは、甲板のシーンで見習いとの掛け合いのシーン。

ここはすごくすごく引き込まれたいいシーンだった…。


自分の考えていること、思った気持ち、ちゃんとしっかり言葉に表している高嶋菜七ちゃんのエンジェルちゃんは、強い女にも見えた。

色んな「女の子らしい」がここまででたくさん表現されてきた中で、このシーンで出た「女の子らしい強さ」。

この「強さ」があるのが高嶋菜七ちゃんのエンジェルなんだ、と。


本当にいいエンジェルちゃんだった。


だからこそ、また新しいエンジェルちゃんにも出会ってみたいと思った。

あんまり女の子女の子言って流行るような時代じゃないけれど、女の子って色んなタイプがある。だから、きっと色んなエンジェルが居るんじゃないかな?在りえるんじゃないかな?と。


勿論、明るさ、可愛さ、強さ、哀愁、そういうのは全員にベースであるとして、そこから先のところでの話、だけど。



そして、辰巳くん。

ギッチギチに計算し尽くして芝居をしてるのに、芝居がうますぎてそれが嫌に透けて見えず、本当に自然に「見習い」くんがそこに「生きている」風に見える、バチバチ芝居の辰巳くん。


とにかく、全てのセリフの一つ一つに、役作りされた背景を感じるというか。ま!じ!で!前回よりもグッと人間味、キャラクター性のある見習いに大進化していた。

この2年、ほんとに沢山の芝居をして、(ズッキーニでの6才の役、ダブルトラブルのシーモアの役、あの辺とか特に活きてたような?)ほんとに沢山のことを吸収したんだな〜、と。


本当に全てのセリフ、立ち回り、目線が、繊細で緻密で、もう、人。すごかった。

だからこそ、冒頭の楽屋でのシーンがオッカシイし、支配人との掛け合いがチャーミング。(あわあわしたり、ドジな支配人にぷんすこしたり。あのシーン、2人のステータスが入れ替わる所、可愛いよね)エンジェルちゃんと出会ってからのシーンはキュンとしちゃうし、切なさもある。


辰巳くん、ほんとすごかった。ほんとに。

連れてった友達、終わって割と序盤の感想で、「雄大、芝居うめぇな〜〜」ってぼやいてました。ほんと、その気持ち、わかるよ。だった。


因みに4話、見習いとエンジェルの「ジ・エンターテイナー」で♪とぅりらったら〜 って歌うところ、めっちゃくちゃ大好き…………

しかもあのメロディが可愛くてすごくいい。気分がいい時によく口ずさんでる………

このシーンの見つめあって歌ってるふたりもほんとにすてき…ちょーよかったなあ…


〈5話 俺たちに明日はない

〈6話 ショウほど素敵な商売はない〉

5話のスーパードタバタしっちゃかめっちゃかコメディ、6話のショーは、劇場にいる全員が大好き。絶対に。


このシーンに限らず、ここまでの全編を通してだし、自分事で大変恐縮ではあるのだけれど。

私大学時代、舞台学科で色んな裏方専攻があるなかで舞台部をやっていて。

だからこの作品のドタバタ、どんちゃん騒ぎ、転換、ではけ、これやりこなしてるキャストもそうだけど、これやってる舞台部、まじですごいな…って毎度感動してた。

もちろん衣装も音響も照明も劇場スタッフも大道具も、みんなみんなそうなんだけど、ほんと、自分事に置き換えて想像をすると………

ほんと、すごい作品だ。


6話、ショウほど素敵な商売はない についてひとつ。

個人的に、There's No Business〜で支配人が降りてきてみんなと頷いてから歌い出す瞬間。今回すごくよくて。

「ここには友達とか居ないからね」と言っていた支配人、今回の騒動があって、こんなに沢山、友達、仲間、であっちゃったじゃん!できたじゃん!支配人も、ちょっと前に、進めてるじゃん…!って、すごく、グッと幸せを感じた。それが、前回よりも感じたんだよね。

黒いひよこがお似合いだった、中川翔子支配人になったからだと、思うんだけど。


まあまあ、このシーンは、今までの1~4話のいいとこ取り状態。なのでまあ、割愛。


スキルが格段に上がった福田くん、残念キャラを手に入れた越岡くん、表情がより豊かな松崎くん、芝居の鬼の辰巳くん。


そして、最高な新キャスト、主演ダンサー、少女、支配人、通訳、エンジェル。


かけ合わさって、ケンカすることもなく、綺麗に調和する。これがSHOWBOYのマジック。

本当に、最高のSHOWBOY・2021夏版であった。



私はSHOWBOYは、色んなキャストが入ってきて、変化をしながら、ずっとずっと続いて欲しいなと思っている。前から思っていたけど、今回の作品を観て、そう確信した。


初代支配人、2代目支配人、3代目支配人…

初代エンジェル、2代目エンジェル、3代目エンジェル…

初代支配人と2代目エンジェルが、3回目の時に掛け合わさるとか、そういうのでもいい。


少女役やった子達が大人になった時、出演歴に「SHOWBOY 少女役」って書かれていて、色んな人が「え!?あのSHOWBOYの?!」ってなる未来、ほんとに望んでる。


次のキャストも最高のキャストでありますように!今回のキャストも本当に最高だった!

全員、本当に最高をありがとう!


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②人を連れていきまくった人の話


色んな人に連れられてSHOWBOYを見た人が沢山いたので。逆に連れていった側の私の話を、備忘録的に、手短に。


元々前作が終わった時に、「こんな良すぎる作品、色んな人もっと連れてくればよかった…絶対私の友達はみんな好き…」と思っていた。

そして、福田くんも、挨拶の時に「もっと色んな人に観てもらいたい」と言っていた。

もう本当に、その通りがすぎる。そしてこの最高の作品は絶対に再演する。その時は沢山友達を連れていこう。そう決めていた。


今回私の手元の半券は、2桁分ある。

がしかし、1人で入ったのは2割。とにかく連れていきたい人が多すぎて、そのせいで私の観劇回数も増えてしまったのだ。

(でも、何度観ても飽きないし楽しかったから、SHOWBOYってすごいよね…)


連れていったのは、

別G担の友達(河合担、河合担、神山担、神宮寺担。)、ミュージカルオタクの友達、会社の後輩、母親(フォーリーブス担)

(あとは何時もの相方と連番したりしてた)


終わったあとに全員が、お世辞抜きで「めちゃくちゃ良かった!」と褒めてくれたし、「再演あったらまた観たい…」って言ってくれたのが、本当に嬉しかった。

普通にミュージカル好きの友達なんか、「私の先輩、○○○が好きだからこれ好きそう。名古屋っていつまでやってる?」って私に聞いてきたの(笑)「今日だけだよ(笑)」って返したのがすごく悔しかった…(笑)


あとなんでだろうか。8割9割が、越岡くんにめろめろになってた。(「こっしー、むりィ〜〜!」とか「ギャンブラーって、越岡さんであってますか?好きになっちゃいました…」とか。)

いや、なんでかはわかるけど、ほんと、ずるいね(笑)


再演が決まった時に、みんなにすぐ声掛けて、ていうかその前からずっとずっと「SHOWBOYの再演に○○連れてきたい」ってみんなに言ってて。「そんなに言うなら…!」とかでめちゃくちゃハードル上がってる状態で、無理やり引きずり込んで(笑)

でもみんなが「ほんとによかった」って言ってくれて、私も貴方達を連れて行って本当によかった。って、幸せが2億倍になった。


皆の感想を私がここで代筆して取り上げるなんてことはできないし、しないけど、ちょっと面白かったのは母親の感想。


フォーリーブスがずっと大好きでずっと追っかけてたうちの母。

終わってから言われたのが「なんか、同じ4人だし、フォーリーブスに重ねちゃった」「あんたが何度も何度も観に行く理由がわかったよ、フォーリーブスのみんなが、こんなのやってたら、毎日いきたくなっちゃうなあ〜」「フォーリーブスの舞台も、最後にショータイムがあったんだ」「福ちゃん、ホンモノちょうかっこいいね!(母親、福田くんだけはずっと良さが分かってなく、この日も紫か赤か黄色か、何色にしよ〜って言ってたのに。ww)」


なんかさ、「芝居のどこがよかった」「作品のどこが良かった」とかも最高に嬉しいんだけど、

あー、こういう見方楽しみ方もあるんだなあ。うちの母親はきっとあの2時間半、自分の青春時代に戻れてたのかなあ。そんな気持ちを思い起こしてくれる作品に出会える人生ってすごいよなあ。、と、謎の感心の仕方をしてしまった。


こんなに沢山の友達を連れていけたのは、もしかしてこの世情もあるのではないか、と実は少し思ったりもしている。


この皆が、「またみたい!」「お友達連れていきたい」って思ったら……………

分かりますよね。東宝さん。


連れていきたい人が多すぎて、結果私も沢山観ることになった今作。

でもみんなのにこにこ笑顔を隣で見れたことで、本当に私は何度観ても、観劇中も観劇後もずっとずっと幸せだった。

みんな、付き合ってくれてほんとにありがと、ふぉ〜ゆ〜、SHOWBOY、最高だったでしょ?



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長くなったけれど、SHOWBOY・2021夏版の結論。


『SHOWBOY』は最高だ。

ミュージカル、演劇、エンターテインメントが大好きな私が、たくさんの芸術体験をして、それを踏まえた上で戻ってくるのがこの『SHOWBOY』だとこの再演で確信した。

どうしてもこの最高のエンタメをでっかくしたい。いつかは生バンドで。いつかはもっと大きな劇場で。たくさんの人にもっと最高の形で観てもらいたい。

何人もを巻き添えにし、何回も観た最大の感想はこれになる。



今作があったからこそ、やっぱり愛しくて思い出深い初演があるし、今作に別の角度での捉え方をすることができて、気づくことが出来た。


はぁ、やっぱりSHOWBOYは最高のエンターテインメント作品だ。


また次の航海までちょこっとしばらく、お別れかな?

あのSHOWBOATはきっと、日本に留まるだけじゃなく、ぐるっと地球を回って航海して(というのは、ふぉ〜ゆ〜の4人が色んな舞台を経験することの比喩)、そしてまた日本に、帰ってくるんだとそう信じて。


最高をありがとう。

そして何よりの、「完走 おめでとう」を。


There's No Business Like Show Business